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ヒマラヤ山脈の温泉村の話1(自叙伝178)

 

マナリ

 

狭苦しい夜行バスでの長旅は終わり、バスはマナリの停留所へ到着した。

 

直前まで雨が降っていたのかして、地面は濡れているが、空は晴れ渡っており、高山特有の清々しさがある。

街の周りは緑の山々に囲まれていて、デリーのような大都会とは大きな違いだ。

 

ヒマラヤ山中にあるマナリの街は避暑地だけあって、観光客でごった返していた。

にこやかな金持ち風のインド人の家族連れが通りを歩いている。

 

地元の人にはチベット人も多く、以前にチベットを旅した時にみたような民族衣装を着たお婆ちゃんがロバを引き連れて歩いている。

彼らは中国による圧政から逃げ出してインドへやって来たらしい。

 

国は変わっても、伝統文化にはあまり影響はないようだ。

チベット人の周囲と調和する能力がすごいのか、インド人の誰でも受け入れる土壌がすごいのかは分からないが、傍目には、チベット人はインドにしっかりと馴染んでいるように見える。

 

長旅が終わりお腹が空いたので、バス停の近くのチベット人経営の食堂に入り、チベット蕎麦(トゥクパ)をオーダーする。

 

不思議なことに本場チベットで食べるトゥクパよりもインドで食べるトゥクパの方が圧倒的に美味しい。

入っている野菜の量と種類も豊富で、味がしっかりと付いている。

高地の砂漠の食文化と、豊潤な緑の山の食文化との違いだろう。

 

僕は、インドの美味しいトゥクパは中国政府の功績だな、などとバカなことを考えていた。

 

 

温泉の村

 

腹ごしらえを済ませて気分が落ち着いたところで、いよいよ待ちに待った温泉の村バシシトへと向かう。

 

オートリクシャーに乗り、山間の河沿いを走る。

遠くに見える山々が美しい。

河沿いの道を急角度に曲がり、今度は急な坂を折り返しながら登っている。

登りきったところにあるのが温泉の村バシシトだ。

 

村に着きリクシャーを降りて、さてどこに向かおうかと辺りを眺めると、温泉のある寺院が目に入った。

髪を濡らした家族連れが出て来るのですぐに分かった。

 

外から遠目に眺めていると、髭を生やした長髪の東洋人が出て来て、服装の感じからして日本人かもと思ったので、話しかけてみる。

 

僕の友人のNさんとRさんの事を知ってるかと聞いてみた。

するとなんと、”Rさんは知らないけど、Nさんなら同じ宿に泊まってるよ。今から戻るから一緒においでよ。”という驚きの返事。

 

以前にゴアを旅した時にも旅人同士の繋がりの濃さと偶然の出会いには驚いていたが、今回も来て早々に偶然の導きがあった。

 

温泉村への到着はいい予感に満ちて始まった。

 

 

 
 
 

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