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ヒマラヤ山脈の温泉村の話2(自叙伝179)

 

日本人宿

 

僕は、出会ったばかりの風呂上がりの旅人Kくんの後を付いていく。

牛糞が散乱する石畳の細い山道を進んでいった先に、その宿はあった。

 

友人のNさんはどこかへ出かけていて居なかったが、なんにせよその日の宿を確保しないといけなかったので、同じ宿に滞在することにした。

山の斜面に建っているので、川を挟んだ向かい側の山と遥か彼方の下流に見える山並みの景色が美しい。

 

 

聖なる温泉

 

荷物を下ろして一息ついたあとは、早速温泉へ向かうことにした。

 

Kくんの情報によると、絶対に全裸になってはいけないというルールがあるので、それだけは守った方が良いという。

温泉は男女別にはなっているが、男女ともにパンツは脱がないしきたりらしい。

 

宿から歩いて2分で温泉のある寺院につく。

寺院では聖者バシシトという人を祀っていて、祠などが並んでいる。

この時から数年後になって知ったが結構有名な聖者らしい。

 

僕は聖者や祠には大して興味が無かったので、全く気にせずに温泉のある部屋へ向かう。

煉瓦と石の壁で仕切られた温泉のある部屋は天井が無く、露天風呂の趣がある。

お湯が溢れ出る源泉の部分は古代からの石像が配置されて、全体的に伝統的で神秘的な良い感じの雰囲気になっている。

 

 

熱湯

 

溢れてくるお湯は想像していたよりもかなり熱くて、45度とか50度とかあるんじゃないかと思う。

 

源泉から出たお湯が浴槽に流れ込み、浴槽からパイプを通って流れ出るお湯で体を洗ってから、浴槽に浸かる仕組みの様だ。

日本と同じスタイルなのが嬉しい。

 

服を脱ぎ、パンツ一丁になって洗い場へ行く。

熱いお湯に体を慣らすのに時間がかかったが、やはり日本で生まれ育ったこの体は、お湯に触れると自動的にリラックスして笑みが湧いてくるように出来ているようだ。

 

体を洗い流し、浴槽へ入る。

お湯が熱いので少しづつしか体を浸けることが出来ないが、徐々に慣らしつつ全身をお湯に浸ける。

 

お風呂に入った時に出るハァーという溜息が、熱すぎる故に歯をくいしばるような感じになってしまったが、それでもお湯に浸かる喜びは何者にも代え難いものがある。

 

苔むす石造りの壁と遠くに見える山や空を見ながら温泉に浸かっていると、旅情緒が湧き上がってきて深い満足感が与えられた。

 

前回のインドから今回戻ってくるまでの間に、日本には4ヶ月半ほど滞在して働いていたが、僕の心は常にインドに有り、旅情緒を感じた瞬間にはもうすでに前回の旅の続きに繋がっていた。

 

今回の旅は新しい旅ではなく、前回の延長線上に有り、有機的な繋がりの中にあった。

 

 

 
 
 

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