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ヒマラヤ山脈の温泉村の話3(自叙伝180)

 

課長

 

宿に戻ると友人のNさんが戻っていた。

久しぶりの再開を祝し熱いハグを交わす。

 

5ヶ月ほど前にゴアで別れて以降は、タイに寄ってインドビザを更新した後に、インドへ戻ってきたらしい。

 

彼はすでに3年ほどアジア全域を旅していて、年齢も30代半ばと周りの旅人達よりも少し上と言うこともあり、先輩的な立場で皆から慕われていた。

平均的な旅人の年齢は20代半ばから20代後半が多い。

 

僕も含めて皆が彼のことを課長というあだ名で呼んでおり、本人もそう呼ばれる事を気に入っていた。

 

彼の優しくて飄々とした人柄や、変に神経質なところや、些細なことでにじみ出る生活感の溢れたセコさなどが、皆に課長という役職を連想させて納得させていた。

部長や社長では無いし、平社員でも無い。

 

そのセコいながらも愛らしいキャラクターの為か、常に周りに人が集まって来ていて、ある種のリーダー的な雰囲気があった。

皆が、課長課長ともてはやし、彼も”うちの課の者が、、、”などと冗談を飛ばし合い、同業者的な仲間内の雰囲気を作っていた。

ちなみに僕は、二十歳の若造の新入社員といった面持ちだった。

 

 

Rさん

 

Nさんこと課長に、僕がゴアで毎日何ヶ月も一緒に遊んでいたRさんがこの村に居るはずだけど、どこに居るの?と聞いたら、村の中心から歩いて20分くらいの山の斜面の下の方に住んでると教えてくれた。

 

次の日、喜び勇んでRさんの家へ遊びに行く。

 

当時のRさんはEメールアドレスを持っていなかったので、連絡は取り合っていず、人づての噂だけが情報源なので、彼は僕がバシシトへやって来たことを知らない。

突然遊びに行って驚かしてやろうと言う算段だ。

 

山道をしばらく歩いてRさんの家を探す。

教えられた通りの道筋に沿って歩くが、彼の家はかなり辺鄙なところにあるようで、なかなか見つからない。

地元の人に日本人を見たか?と聞きながら歩き回り、やっとの事で彼の住む家を見つけた。

 

彼はゴアでも一軒家を借りていたが、ここでも一軒家に住んで居るようだ。

土壁と石屋根のヒマラヤ地方の伝統的な作りの家で、いい雰囲気が出ている。

ある意味、ボロい作りとも言えるが、自然と密着した家とも言える。

 

家をノックしたが誰も出てこない。

寝ているのかなと思い、外からRさんの名前を叫ぶと、しばらくしてドアが開いた。

 

 

 
 
 

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