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インドを旅する話9(自叙伝094)

ガート

 
 
 
 
バラナシの駅からガンジス河に沿って、あるき続けて行くことで、いい感じのガートを見つけた。
 
 
 
 
ガートとは、河岸に作られた階段の事で、巡礼に来たヒンドゥー教徒が沐浴をしたり、地元のおばちゃんが洗濯をしていたり、観光客向けの船着き場になっていたりする。
 
 
 
 
ガートの近くに、安くていい感じの宿を見つけたので、そこに滞在することにした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

火葬

 
 
 
 
ガートには、いくつもの役割があり、人の死体を焼くことも重要な役目の一つだ。
 
 
 
 
 
ヒンドゥー教徒は、ガンジス河の近くで死ぬと『輪廻転生』のサイクルから抜け出すことが出来ると考えており、多くの人々が死ぬ間際にバラナシへやって来る。
 
 
 
 
 
そんな人々が、死んだあとの身体を薪で焼いて、遺灰を河へ流すことが宗教的に大事な儀式で、インド人曰く「街のために火葬場があるのではなく、火葬場のために街がある」らしい。
 
 
 
 
 
 
 
その言葉通りに、人の死体を焼く煙が街から絶えることはなく、風向きによっては煙の匂いが街に充満していた。
 
 
 
 
髪の毛が焦げる匂いを、嗅いだことがあるだろうか?
 
 
同じタイプの匂いが、風で薄まって流れてくる。
 
 
 
 
 
はっきり言って、相当気持ち悪い匂いなのだが、聖なる煙として受け流すことにした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

汚れ

 
 
 
 
僕は、全くヒンドゥー教徒では無いが、ガンジス河に来たからには沐浴しないわけにもいかない。
 
 
 
 
ガンジス川の聖なる水で、魂の穢れを清める。
 
 
気温は暖かく水に浸かることには、なんの抵抗もない。
 
 
 
 
 
抵抗があったのは衛生面だ。
 
 
その水は最高級に聖なるものだが、生物学的には最高に汚れていた。
 
 
 
 
 
流石に、街の下水が流れ込んでいることはないと思うが、それでも家を持たない者たちは河岸で用を足すこともある。
 
 
 
 
 
川岸の家の人が残飯を捨てる事もあれば、通りがかった人がポイ捨てする事もある。
 
 
 
 
 
更には、死体を燃やしたあとの灰も流すし、赤子や妊婦の死体は燃やさずにそのまま河へと沈める。
 
 
 
 
 
地元の人は、その水で身体を洗うし洗濯もする。
 
 
 
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そういった衛生面での不安が、僕に沐浴をするのを恐れさせた。
 
 
 
 
 
 
だが、カルカッタでの洪水の経験も有り、少しは衛生感覚に対して耐性がついていた。
 
 
不衛生に慣れたくは無かったが、インドへ来た以上、受け入れるより他無かった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

沐浴

 
 
 
 
ガートへ行き、パンツ一丁になって、軽く準備運動をしてからガンジス河の中へと入っていった。
 
 
 
 
 
足元に何があるかは分からないので、サンダルは履いたままだ。
 
 
 
 
 
衛生面の懸念を頭から取り払うと、河に入るのは純粋に気持ちよかった。
 
 
 
 
 
緩やかに泳いでいたのも束の間、偶然の事故により、すぐ脇を通りかかったボートのオールで頭を叩かれた!
 
 
 
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当たりは強くは無かったが、泳いでいる最中だったので、バランスを崩してしまった。
 
 
岸から少し離れた直後で、足が川底に届かず、パニックになってしまった。
 
 
 
 
 
慌てて河岸へと泳ぎ戻るが、パニックになった最中に水を少し飲み込んでしまった。
 
 
飲み込んだのは、海の水でも塩素消毒されたプールの水でもない、よりにもよって色々なものが混入しているガンジス河の聖なる水だ。
 
 
 
 
 
溺れたのは一瞬で、直ぐに河岸に戻れたし、叩かれた頭には怪我はない。
 
 
だが、河の水を飲み込んでしまった。
 
 
 
 
 
これは、どう考えてもヤバい。
 
 
 
 
 
どうしたらいいか分からないので、持っていたミネラルウォーターで口をゆすぎ、大量にミネラルウォーターを飲んでお腹の中の河の水を薄める作戦を取った。
 
 
 
 
 
幸いにも、この作戦が成功したのか、その後の数日間におなかを壊すことはなかった。
 
 
 
 
 
寄生虫やアメーバが、身体に入っていた可能性はあるが、少なくとも直接的な症状は出なかったので良しとした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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