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ロンドンに住む話27(自叙伝331)

 

Dくんの決断

 

Dくんはこのパーティーは僕たちが目指していたものでは無いと確信していたが、それと同時に既に手遅れだと言うことも十分に理解していた。

 

彼は、皆が自分たちが目指していたパーティーだと思って楽しんでいると言う前提で、全てを流すことに決めて、楽しみ抜くことにした。

これはかなりの吹っ切れ具合である。

 

彼の今回の旅は何一つうまく行っていなかったが、その全てを吹っ切って楽しむことを決意したのである。

 

結果的に彼は最高に楽しんでいた。

 

この辺りは大人の旅人の本領を発揮したと言っても良いだろう。

 

 

終了

 

結局僕たちは、なんか違うと思いながらも楽しい時間を過ごし切って、パーティーは終わった。

 

音楽が鳴り止み、皆がフロアの真ん中に集合する。

やっと静かになった状態で、それぞれの疑念を確認し合う。

 

それぞれが顔を見合わせて、やっぱりこれDJ Tsuyoshiのイベントじゃ無いよね。

そもそも日本人DJなんていなかったし。

 

皆がなんとなく違うと思いながら、それぞれなりに最後まで最高に楽しみ切った。

 

なんなんだそれは、と言うような話だが、僕たちは最高に良い時間を過ごして、変に満足していた。

 

 

朝焼け

 

外へ出てみると、夜が明けつつあり、空が白んでいる。

 

白みかけた空は、ロンドンの街特有の異常に低い雲に覆われている。

今にも手が届きそうなくらい低い位置にどんよりと立ち込めた雲が、朝日を浴びて徐々に赤く染まっていく。

それはそれは素晴らしい絶景だった。

 

低く垂れ込めるうろこ雲が、端から順番に色が変わっていき、見事な虹色のスペクタルを形成している。

 

この朝焼けが観れただけで、全てを水に流して愛と友情に包まれるような、最高の瞬間だった。

 

良かったのか悪かったのか分からないが、”これで良いのだ”と納得させるようなものがそこにはあった。

 

 

 
 
 
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