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チベット文化の高地ラダックの話4(自叙伝202)

 

道崩れ

 

道路状況の悪化により滞っていた車の流れがゆっくりと動き始める。

渋滞の原因は落石によって塞がれた道路を迂回して進まなければならなかったのが原因だった。

 

道路が山の斜面ではなくて、川沿いだったのが幸いして、川側に逃れて進むことができた。

落石現場を超えてしまうと、道路はスムーズに流れて行く。

 

 

絶景

 

バスはとてつもない絶景の中を走っていく。

 

山肌は薄茶色の土がむき出しで、大地の尊厳を主張している。

そこに遮る空気がない太陽が、燦々と照りつける。

 

標高が高く空気が薄く、また乾燥してもいるので、太陽の光が鋭く、空の青さが半端ない。

紺色に近く見えるほどの真っ青な青。

 

真っ青な空の色と薄茶色の大地の色に世界は二分されていた。

単純な話、上を見れば青で下を見れば薄茶色だった。

 

そんな景色が延々と数時間も続く。

 

近くの景色は早く動き、遠くの景色はゆっくりと動く。

遥か彼方に見える山並みは、まるで動かないかのようだ。

 

それでも数時間も経てば徐々に景色も変わっていく。

 

山並みの手前に現れてきたのが、巨大な湖で、空の青さを忠実に反映して、見たことも無いような美しい青色を反映している。

あたり一面、砂漠状態の高地だから、あまり生命活動が無いのかして、とんでもない透明度で底まで見透かせる。

 

 

予定延期

 

本来ならばその日の夜にラダック地方最大の都市レーに到着する予定だったが、朝方の渋滞により道中にもう一泊することになった。

 

ここも前日と同じく砂漠高原のど真ん中にあり、周囲に建物は何も無い。

 

空気が薄く乾燥しているが故の満点の星空。

星が多すぎて、北斗七星もオリオン座も分からなくなるくらいだ。

 

前日と似たような重くて少し匂いのする分厚い布団に包まれて、砂漠高原での夜を超えた。

 

次の日、バスが出発してしばらく進むと、また美しい湖が出てきて、その側に人が歩いているのが見えた。

 

街が近づいているのかも知れないが、まだまだ周囲には建物や村の気配などなく、こんな周囲何十キロも文明のない世界で、人が普通に歩いているのを見ると奇妙な異次元感覚に襲われた。

 

この人は一体どこから現れて、どこへ向かっているのか?

歩いているのは50代くらいのおじさんで、小さなカバン一つを持った軽装だ。

 

とても、周囲の何十キロも建物一つない標高4000メートルのヒマラヤ産地だとは思えない光景。

彼は当たり前の日常のように湖のそばの道を歩いていた。

 

 
 
 
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