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ロンドンに住む話35(放浪記339)

 

モロッコへの憧憬

 

知能指数が異常に高い友人のJくんの家に遊びに行った時に、素敵なイベントのフライヤー(宣伝チラシ)をもらった。

 

それは、今年2000年の年越し、引いては21世紀の夜明けを祝うモロッコでの年越しサイトランス・パーティーのフライヤーだった。

 

こんな感じ。

 

 

 


サハラ砂漠のオアシスに浮かぶ島の上で行われる3日間のフェスティバル。

イベントを行う島には廃墟の建物があり、不思議な雰囲気を一層引き立てている。

 

”サハラ砂漠” ”オアシス” ”世紀越し” ”サイトランス” 色々なキーワードが僕の意識を一瞬で捕まえて、何が何でも行きたい!となってしまった。

 

 

反発

 

だが、ここで思わぬ反発が起こる。

僕がフライヤーを見て興奮して、絶対に行きたい!となっている事は、Iちゃんの気に食わなかった。

 

二人で生活して旅をして暮らしているのに、私の意見を放ったらかしにして自分の興味だけで次の行き先を決めるなんてあんまりだという話である。

 

カップルでありパートナーである以上、当然の話なのだが、当時の僕には誰かの意見を考慮するような思慮深さや心のゆとりはなかった。

目の前の好奇心だけが全てで、興味を持ったものには猪突猛進してしまう。

 

Iちゃんは反発したものの、サハラ砂漠やオアシスや世紀越しなどの言葉は魅力的だったようで、何度か話し合っているうちに理解してくれて、一緒にモロッコで世紀越しを祝おうという意見で一致を見た。

 

 

ビザの終焉

 

時は既に秋に入っており、寒くなり始めていた頃だ。

 

イギリスのビザも入国した半年後の11月半ばには切れるので、何らかの対策を必要としていた。

イギリスに滞在したければ、語学学校などに行って学生ビザを取るか、一旦国外へ出てからまた戻ってくるかなどの選択があった。

 

僕は、ロンドンでの生活は楽しかったし、少しづつでも確実にお金を稼げる事も嬉しかった。

だが、Iちゃんは日本に帰って演劇の道に本腰を入れたいと考えていたので、ビザが切れるタイミングで帰国することを考えていた。

 

そうした背景があったので、このモロッコの話は、現実的で深刻な話を一旦横に置いて旅の楽しみを追求する妥当な代替案でもあった。

 
 
 
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