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ロンドンに住む話4(自叙伝308)

 

新居

 

Nちゃんの家には2週間ほどお世話になってから、新居へと引っ越しをした。

引越しといっても、バックパッカーのスタイルなので、荷物をバックパックに詰め込んで移動するだけだが。

 

ありがたいことに、引っ越した先には必要な家財道具が全て揃っている。

食器も鍋もベッドも布団も何もかもがあった。

移り住んできた旅人には、ありがたい事この上ない。

 

新しい家では、平日の昼間は父娘ともに学校に行っているので、実質的には自分たちだけの家のようなものだった。

 

夕方以降に彼らが帰ってきた頃には、僕は仕事に行く。

仕事から帰ってきた頃には彼らは寝ているので、大家さん家族と顔を合わすことは滅多になかった。

スティービー・ワンダー家族と交流をすることを楽しみにしていたし、英語の上達につながるかとも思っていたので残念だったが、気楽で居心地のいい日々だった。

 

空いた時間には近所を散策して、どこで安い食料が買えて、どこでセカンドハンドの服や自転車が手に入るかを知った。

徐々にイギリス生活に馴染んでいく。

 

 

小事件

 

生活に馴染み始めたこの頃、お金に絡んだちょっとした事件があった。

 

Iちゃんに頼まれて街へ出かけた時に、彼女の海外旅行銀行口座からお金を下ろした時のことだ。

 

ATMが置いてある小部屋に入り、カードを入れてお金を引き出す。

引き出したのは口座にあった最後のお金で、引き出した後は5000円ほどしか残っていない。

 

お金を受け取り、カードを抜き取ろうとしたところで、後ろから肩を叩かれた。

振り向くと、男性が地面を指差して何かを言っている。

僕はほとんど英語が分からなかったので、何を言っているのかは分からなかったが、その指差した先には20ポンド紙幣が落ちていた。

 

自分の物ではない事は間違いないが、この男性はしつこく紙幣を指差して話しかけてくる。

僕はお金を拾う事は嫌なことでは無いので、言われるままにその20ポンドを拾ってポケットへと入れた。

 

それを見て男性は安心したのかして、ATMの小部屋から出て行った。

 

ふとATMを見ると、自分が抜き出すべきキャッシュカードが無くなっている。

あれっ、もう既に自分でしまったのかなと思い、貴重品入れを見るがそこにも無い。

 

なんとっ、自分が20ポンドを拾っている間に、男性がカードを抜き取って持ち去ってしまったのだ!

 

盗まれたことに気づいた時には彼はもうとっくに走り去っている。

 

カード会社に連絡しようと思っても、連絡先を書いたカードはもう手元にない。

自分の英語力では、イギリスのATM会社に連絡することもできない。

 

仕方なく盗まれるままにする事になった。

 

不幸中の幸いは、5000円を盗まれても20ポンド(約3500円)を手に入れたことか。

結果的には1500円の損害で済んだ。

 

残念なのは、こう行った事態に何もする事の出来なかった自分の不甲斐なさだ。

家に帰った後にもIちゃんに詰られる。

 

言い訳のしようもなく、落ち込むしか方法はなかった。

 
 
 

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