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ネパールを旅する話3(自叙伝079)

ネパールを旅する話3(放浪記079)

スピーカー

 
 
 
 
雨季に一人で部屋に閉じこもって退屈していた僕は、ラジカセを買うという暴挙に出た。
 
 
 
 
 
なぜ暴挙というかと言うと、そのラジカセは大きくて重たく、バックパックのかなりの場所と重量を占めるようになったからだ。
 
 
25センチ四方の四角くて重たい箱を想像して欲しい。
 
 
この箱ほど旅に向かないものはなかなか無いだろう。
 
 
 
 
 
日本からミニディスクプレーヤーを持って来ていれば、少ないスペースで大量の音楽が聴けたのに、旅行中は音楽を聴かないと言う挑戦をしたがために、結果的に重たくて大きいラジカセを買う羽目になってしまった。
 
 
 
 
だが、これで退屈から抜け出せる事が出来た。
 
 
こんなデカくて重たいラジカセを持ち運んででも聴きたいほど、自分にとって音楽というものは、ものすごく大事なものなのだと再確認した。
 
 
 
 
 
街には違法コピーのカセットテープが溢れている。
 
 
一本あたり二百円ほどと格安だが、いくらでも買える程お金に余裕があるわけではない。
 
 
 
 
 
数少ないカセットを繰り返し聴いても飽きて来ないように、既に何度も繰り返し聴いて来たロックの名盤アルバムのカセットを何本か購入した。
 
 
 
 
 
その時購入したものの一つが、”ヴェルベット・アンダーグラウンド”の”ヴェルベット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ”というアルバム・カセット。
 
 
一生のうちに何度聴いても飽きる事なく聴き続けられる名盤なので、興味のある方は聴いてみて欲しい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

友人との再会

 
 
 
 
カトマンズに到着して数日が経った頃にタメル地区を歩いているときに、チベットで同じゲストハウスに滞在していて、僕の誕生日会にも来てくれた日本人の友人たちと再会した。
 
 
 
 
完全に偶然というわけでもなくて、同じ旅程で同じ時期なので、ネパールで再会するだろうという事はお互いに考えていた。
 
 
 
 
彼らは男の子二人と女の子一人の三人組でカトマンズまでやって来ていた。
 
 
数日の間カトマンズ周辺を観光したのちに、第二の都市ポカラへ移動する予定だと言う。
 
 
明日は歩いて30分のところにある丘の上の寺院を見に行くつもりなので一緒に行こうよ、と誘ってくれた。
 
 
ちょうど暇していたところだし、楽しそうなのでついて行く事にした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

スワヤンブナート

 
 
 
 
翌朝はやくに起きて、友人たちに合流する。
 
 
運のいい事に、雨季なのに雨が降っていない。
 
 
 
 
 
スワヤンブナートの仏塔へ行くには400段近くある階段を登らなくてはいけない。
 
 
 
 
チベットからやって来たので、高地には慣れているが、それでも400段はかなりきつい。
 
 
ビルでいうと40階建くらいの高さはあると思う。
 
 
 
 
 
 
苦労して登りきった先には絶景が待っていた。
 
 
 
 
 
街の中心部は相変わらず排気ガスで澱んでいるが、街の外部は連日の雨で洗われて山並みの一部が見える。
 
 
曇っているので全ては見えないが、それでもヒマラヤの絶景を目の前にしていると思うと嬉しかった。
 
 
 
 
 
スワヤンブナートの仏塔は、歴史の長いネパールの中でも、最古の仏教寺院と言われていて世界遺産に登録されている。
 
 
仏塔の胴体は金色に塗られ、ブッダの顔を象徴したものが描かれている。
 
 
塔のてっぺんからは、チベットでも見たタルチョと呼ばれる連続した5色の旗が大量に掛けられている。
 
 
 
 
 
ネパールの仏塔は、チベットで見た仏教様式にインドっぽいイメージを重ねたようにも見える。
 
 
 
 
丘の上と言う気持ちのいい場所という事と、仏教建築の美しさが合わさり、かなり旅情を誘う光景だ。
 
 
 
 
 
僕たちはチャイを買い、絶景と仏塔の両方が見えるところへ座った。
 
 
 
 
 
チベットでの旅の話を共有し、ここネパールで再会できたことを祝い、不思議な場所でまたお茶を共に飲んでいる事を喜び合った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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