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自転車で沖縄へ向かう話3(放浪記497)

 

出発


僕は、完璧に旅の準備を整えて、自信満々に旅立つことができた。


自転車旅を始めるにあたって、最もかっこいいと感じたのは、実家の玄関から出た時である。

空港から旅が始まるのではなく、家の玄関から旅が始まるのだ。


僕は旅の荷物を自転車用バッグに詰めて、家を出た。

団地の自転車置き場に置いてある自転車に荷物をセットして、母に手を振り自転車を漕ぎ出す。


これほど地に足のついた旅立ちもなかなか無いと悦にいった。

 

 

和歌山へ

 


最初の目的地は和歌山港だ。

そこから徳島へとフェリーで渡る。


予定としては、四国の南側の海沿いを走り、九州に渡る。


そのあとは、鹿児島からフェリーで沖縄へと向かうという大雑把な予定だ。

何となくの方向はあるが、はっきりとしたルートはない。


だが、質のいい地図を持っていたので、最高の装備品がある限りは何とでもなると考えていた。

 

 

寒さ

 


出発したのは12月の初めだったので、既に寒さが最大の難関となっていた。

とにかく早く沖縄に辿り着かないと、寒さでやられてしまう。

そんなことを考えながら旅路を急いだ。


初日は、家を出たのが遅かったので、和歌山港まで辿り着くことは諦めていた。

途中のどこかで寝床を確保する必要がある。


道の途中で小雨が降り始めたので、田舎道にある屋根付きのバス停で一休みすることにした。

全く人通りも車の通りもない山中のバス停である。


持ってきていたお弁当を食べて一休みしたが、小雨が続いていてテントを貼るような気分にならなかったので、そのままバス停で寝袋を広げて眠ることにした。


実家から半日の距離のバス停で寝袋を広げて寝るのは、何とも奇妙な感じがしたが、自転車で旅に出た以上は気合を入れて旅をしたいと考えて、そのままバス停での野宿を敢行した。


眠り始めは、誰か人が来て追い出されるんじゃないかとか、警察が来て浮浪者扱いされるんじゃないかとか色々と思いをめぐらせていたが、半日の間も自転車を漕ぎ続けた疲れが勝った。

結果的に、何のことはなく心地よく眠ることができ、日が昇る前に目が覚めた。

 


つづく。。。

 

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