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放浪記037

タイ旅行でカルチャーショックをうける話4(放浪記037)

もう一人の旅人

 
 
 
ビーチに滞在し始めて何日か経った頃に、もう一人の日本人の旅人がやって来た。
 
彼も『満月のタイミング』を狙ってやって来たらしい。
 
 
 
こちらのMさんも、かなり旅慣れているようで、今までに出会ったことのないタイプの人。
 
一体、日本のどこに行けば、このような人に出会えるのだろうか?
 
 
 
年の頃は、他の旅人の二人と同じく20代後半くらい。
 
伸ばし始めた髪を後ろで束ねていた。
 
 
 
他の二人と違わず肌は日に焼けて浅黒く、異常に気さくでフレンドリーで、ゆるゆるのラフな格好をしていた。
 
旅をすると、そう言った性格になるのか、あるいはタイというお国柄が彼らをそうさせているのかは分からないが、彼らにはなんらかの共通点があった。
 
 
 
違いといえば他の二人はがっしりとした体格で、男らしい個性なのだが、Mさんは眼鏡をかけていて、どことなく中性的なイメージ。
 
 
 
逞しい男だけが旅が出来るのかと思ったが、あまり関係ないらしい。
 
 
 
 
 
 

旅人の話

 
 
 
彼は、このあと半年ほどインドを旅する予定で、今後に控える過酷な旅の前の最後の休暇として、タイの南の島にバカンスに来たらしい。
 
 
 
過去の旅の話や、インドへの憧憬を熱く語ってくれる。
 
 
 
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それまでの僕にとって旅行とは2泊3日、長くても一週間くらいのものだった。
 
実際に修学旅行は2泊3日だったし、夏休みの親戚とのキャンプも長くても5泊とかだった。
 
ツタヤでバイトするようになって、数週間にわたり旅をするという概念を知り、今までの概念を飛び越えて三週間もバックパック旅行をする自分って、カッコいいと思っていた。
 
 
 
だが、それでも数週間の話で数ヶ月も旅するなど、想像の枠からはみ出していた。
 
猿岩石の話では、数ヶ月かけてヒッチハイクしていたが、そんなのはテレビの話で現実とは関係ない。
 
 
 
だが実際に、これから半年もの間旅をしようとしている人を目の前にすると、今までの自分の価値観が崩壊するような感覚を覚えた。
 
今までやってきたことを、全部リセットして半年もインドを旅する?
家賃どうするの?荷物は?
 
そんなことが可能なのか?
 
 
 
Mさんの話を聞いていると、確かに簡単なことではないかもしれないけれど、やってできない事でもなさそうに思えた。
 
彼は普通のお兄さんで、特殊技能を持つわけでも富豪の家に生まれたわけでもない。
 
 
 
僕は常々『自分は貧乏な育ちで、貧乏な暮らしをしている』と思っていたけれど、よその国に行くと物価の違いで自分は結構な金持ちになる。
 
この物価の差をうまく利用すれば、半年ほど旅をするのは可能なんだと思えてきた。
 
 
 
この頃から、いつの日か彼のようにインドへ長期間の旅をしてみようと思うようになる。
 
 
 
別にインドに興味があったわけではない。
 
むしろ超狭い範囲で、大阪の都心部の都会的な生活にしか興味がなかったが、インドを旅するという体験自体に興味があった。
 
 
 
全くの未知の世界への冒険。
 
自分はその体験をする事で、人生の可能性が大きく開けるのではないかと想像した。
 
 
 
 
 
 
 

キャンプファイヤー

 
 
 
満月が近づくにつれて、多くの旅人が集まってきた。
 
バンガローは全て満室になり、近所のゲストハウスもほぼ全て満室になったようだ。
 
 
 
人が集まりだすと、雰囲気も盛り上がってきて親近感も増して行く。
 
 
 
夜になると、誰かがジャングルから薪を集めてきて焚き火を始めた。
 
ゲストハウス中から、人が集まってきて焚き火の周りに集う。
 
 
 
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みんな英語で会話しているので、僕には何を言っているのか全くわからなかったが、楽しい雰囲気は伝わってきた。
 
 
 
しばらくすると、白人のお兄さんが棒を持ってきて棒にガソリンをかけて火をつけた。
 
何かのショーをするつもりらしい。
 
 
 
それは『ファイアーデビルスティック』というジャグリングの一種で、両手に棒を一本づつ持って、真ん中にある棒をクルクルと回す大道芸の一つだった。
 
どういう理屈なのかはわからないが、彼は器用に棒を回し、ファイアーダンスを演じる。
 
 
言葉で説明してもわかりにくいので、ビデオをどうぞ。
 
 
今まで見たことが無いようなサーカス芸が披露されて、僕たちみんな大喜びだった。
 
 
 
まだ満月ではないが、月は煌々と照っており、白いビーチが月明かりで輝いている。
 
 
 
ビーチに立つと、夜風が気持ちよかった。
 
 
 
片側に見える海の広大さと、反対側に見える林と焚き火と旅人たちの光景が、なんとも言えない美しさと自由さを醸し出していて、僕は最高に満足していた。
 
 
 
 
 
 
つづく。。。
 

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