海の日 支配人は常々、海の日がくるぞと言っていた。 小屋明けから海の日までの一ヶ月間は、繁忙期の準備のために費やされた。 山小屋の利益の7割ほどが、この3週間の繁忙期に集中する。
新人 夏バイトの二人は非常に優秀で、真面目でよく働き、人当たりも良く明るい人たちだった。 この小さな小屋に来る前にいた大きな小屋では、毎年バイト同士のいざこざが起こって、過度のス
山小屋での仕事 日々の仕事は順調に行った。 毎日覚えることはたくさんあり、新しいことだらけだったが、Jさんは新人に指導するのが上手かったので、無理なく仕事に慣れることができた。
体験談2 Sさんは蝶々の話に度肝を抜かれ鳥肌の立っていた僕たちに、立て続けに体験談を話してくれる。 ある時、山で猛吹雪が発生し、女性登山客が遭難した。 猛吹雪ゆえに二次遭難の恐れ
Sさんの仕事 Sさんは、山小屋の通常業務である、食事を作ったり布団を畳んだりなどということには関わらない。 山の専門家として、登山道の整備の他に緊急時のレスキューなどの素人では事
名物おじさん 山小屋で働いていると、山小屋関係の人脈が増えていく。 特に近隣の山小屋との関係は密接だ。 お互いに必要な時に助け合ったりもするし、必要に応じて寝床や食事も提供する。
昼寝 パイプが小屋にまで繋がるのには時間がかかる。 なんせ700メートルの距離を山を登りながら繋いでいくのだから簡単な作業ではない。 2時間ほどかかるというので、持ってきていたお
水源 僕たちはパイプの一部とパイプ接続のための道具を担いで崖を登っていく。 登りながらパイプを足元に垂らして行き、谷間へと水を届ける水路を確保する。 山から谷に降りるときは登山道
水あげ 水あげという言葉には色々な意味があり、船から荷物を下ろすことや、漁業の収穫高、生花の用語、芸妓の用語でもあるらしい。 山小屋では文字通り水を上げることを意味する。 昔は人
三人目 小屋開けから1週間ほどは僕と支配人のJさんの二人だけだったが、1週間ほど経ってついに三人目のKちゃんがやってくることになった。 Kちゃんは以前は山の麓にある同じ系列の温泉